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大動脈の壁は内膜、中膜、外膜の三層構造になっており、大動脈の壁が簡単に破れないようになっています。しかし、何らかの原因で三層構造の一つの中膜が裂けて外膜と内膜がはがれてしまい、解離した状態となり、解離によって薄くなった外膜が血液の流入が活発になった際に破裂しやすい状態となります。これを大動脈解離といいます。この状態で解離腔内の血液が固まりふさがる事もありますが、大動脈瘤を形成し慢性化するものは解離性大動脈瘤といいます。
原因はほとんどが動脈硬化症ですが、生まれつき血管壁が弱い方も発症されています。発症は突然起こる事が多く、放置する事により動脈が破裂してしまう事もあり緊急手術をする必要があるタイプもあります。手術により、解離した動脈を人工血管に置換します。手術後も、血圧が高い方は、動脈壁に負担をかけ、再び動脈の解離を引き起こすことも予測されるため血圧のコントロールが必要ですし、手術適応とならなかった方も解離腔が広がり破裂の恐れが大きいため血圧のコントロールは重要となります。
症状は、解離が突然出現するため、突然解離した動脈付近である前胸部から肩、背部にかけての痛みが出現する、破裂した場合はショックにより突然倒れ、失神を起こす、意識障害が現れる、命を失うような激烈な症状、状態となる事もあります。
高血圧症や動脈硬化症などの生活習慣病の既往がある方は、年に1度は胸部単純エックス線撮影や超音波検査を受け異常の有無を確かめるようにします
私の場合は、平成5年10月に突然背中を刀で切り裂かれたような痛みが出現し、地元の病院に駆け込み胸部写真を撮っていただき入院精査を受けましたがすぐに確定診断はつきませんでした。 胸部写真で心肥大が起こっている、肺に水が溜まっている等の所見があり念のため総合病院にて精査を受けるよういわれ、現在通院中の総合病院に入院し血液検査、胸部エックス線、胃カメラ、腹部超音波検査、胸腹部CT検査を受け、CT検査にて「胸部解離性大動脈瘤」との診断がつき、早急に手術を要するとの説明を受け、札幌の北海道大学医学部付属病院(北大病院)の胸部外科にて手術を受けました。
手術に当たっては、入院していた総合病院の院長先生が北大病院胸部外科の出身の医師でいらっしゃったので、CT検査後早急に北大教授に連絡して下さりすぐに北大病院に入院する事ができました。自宅から札幌までは自家用車に乗って出かけると刺激になり破裂の誘引になるからとの事で、娘に付き添ってもらいJRに乗って3時間ほどかけて札幌、北大病院へと向かいました。
手術は朝8時30分頃に手術室に入室し、人工心肺を取り付けての大手術となり、手術が終わって手術室からICUに入室したのが午後8時40分頃だったとの事、約12時間もの長時間にわたっての手術でした。しかし、手術によってなんとか命はつなぐ事はできましたが、後遺症が残ってしまったようです。手術により脊髄への血管を傷つけてしまう事により麻痺となってしまい、歩けなくなってしまいました。
北大病院に入院している間はほとんど高熱を発したり、麻痺があり歩行できない状態でしたが、12月中旬、地元の総合病院にもどり経過観察とリハビリを受け、平成6年1月下旬に退院できました。現在は月に何回かふらついたり転倒したりを繰り返していますがなんとか杖をついて歩行できる状態となっています。
現在の受療状況ですが、大動脈瘤を再発させないようにするために高血圧の治療のため降圧剤を内服継続しており、その他に1ヶ月毎に通院し診察、検査を受けておりますが今のところ特に異常はないようです。 |